人類史上初めての角膜危機~現代は角膜が付きやすい時代

コラム01 10年前に比べて角膜の傷が増えている実態

東邦大学医療センター 大森病院眼科 教授 診療部長
堀 裕一先生 コメント

角膜はレンズとしてモノを見る重要な役割と、異物が入ってこないようにバリアする役割を果たす重要な部分です。眼科医に聞いた『スマホ時代の角膜上皮障害実態調査』では、その角膜上皮に障害があるドライアイ患者が10年前に比べて増加していることが明らかとなりました。増加している背景としては、総務省やニールセンの調査に見られるようにPC・スマートフォンの利用時間が増えたことで、瞬きが減少してドライアイが進み、角膜に傷がつきやすくなっていることが原因として考えられます。以前は仕事の合間の休憩時間に目を休めることが出来ていましたが、近年では休憩時間にもスマートフォンを使用する人が多い為、目を休める時間が減っている傾向にあると思われます。
また、若い世代の女性の角膜上皮障害が増加していることも明らかとなりました。

これは、ここ10年でコンタクトレンズを安易に購入できるようになったことや、レンズが大きい為比較的ドライアイになりやすいカラーコンタクト、まつ毛エクステンションの流行が背景にあるでしょう。角膜を守るためには日頃から、角膜のケアを意識することが重要です。

東邦大学医療センター
大森病院眼科 教授
診療部長
堀 裕一先生
東邦大学医療センター大森病院眼科 教授 診療部長 堀 裕一先生

通信情報機器の普及と利用時間の増加

2010年代以降、スマートフォンが急速に普及し、多くの人が日常的に使用するようになりました。1日のスマートフォン利用時間は平均3時間以上と言われています。これは若い世代に限ったことではありません。ニールセンデジタルの調査によると、50歳以上でも1日あたり平均3時間14分スマートフォンを使用しており、18-34歳と比べても9分しか差がないことが分かっています。
総務省の調査によれば、パソコンやタブレット端末の保有率も上昇しています。ディスプレイを見ずには生活できなくなってきているといっても過言ではないでしょう。

主な情報通信機器の保有状況
年代別スマートフォンの1人1日あたりの利用時間

眼科医の6割以上が、10年前に比べて角膜上皮障害を伴うドライアイ患者が増えていると回答

ドライアイや角膜上皮の状態を普段から診察している眼科医101名に、「角膜上皮障害を伴うドライアイの患者さんは、10年前に比べて増えているという印象はありますか。」と聞いたところ合計63.4%が「増えている」と回答。多くの眼科医が、角膜上皮障害を伴うドライアイ患者※1 が増えていると実感していました。
近年は、乾き(ドライアイ)の症状だけではなく、目そのものが傷がついてしまうほど、多くの人が目を酷使していることが示唆されました。

  • ※1角膜上皮に傷などがみられるドライアイ患者
角膜上皮障害を伴うドライアイの患者さんは、10年前に比べて増えているという印象にありますか。
【調査概要】
  • 期間:
    2019年9月25日(水)~9月30日(月)
  • 方法:
    インターネット調査
  • 対象:

    以下のいずれかに該当する 眼科専門医101名

    ①ドライアイ研究会所属

    ②フルオレセインスコア検査(生体染色検査)※2を診療で実施している

    • ※2角膜の状態を判断するための検査
  • 監修:
    東邦大学医療センター大森病院眼科 教授 堀 裕一先生
人類史上初めての角膜危機~現代は角膜が付きやすい時代

3. あなたの角膜は大丈夫?チェックリストと症状

東邦大学医療センター大森病院眼科教授の堀裕一先生監修の下、目を酷使している人が多いと思われるコロナ禍に合わせ、自分で簡単に角膜に傷がついている可能性をチェックできる“角膜の傷リスクチェックリスト”を制作しました。

角膜の傷リスクチェックリスト角膜の傷リスクチェックリスト

監修:東邦大学医療センター 大森病院眼科 教授 診療部長 堀 裕一先生

人類史上初めての角膜危機~
現代は角膜が傷つきやすい時代

こんな症状の人は、角膜が傷ついているかも

以下のような、これまでとは違う長引く症状を感じたら、実は角膜に傷がついているせいかもしれません。

  • 寝ても疲れ目が解消しない
  • 朝から目がかすむ
  • 光をまぶしく感じやすくなった
  • 常に目が乾いてショボショボする
  • 目が重たい感じがする
  • 目が痛くなることがある