パソコン・スマホはもちろんのこと目を集中して使う趣味、ストレスも目を傷める原因
『外出自粛下の目の疲れ・不調に関する実態調査』では、外出自粛中の不調な身体の部位として「目」が最も高い結果となっています。
これは、『新型コロナウイルスの影響によるメディア接触行動変化レポート』にあるように、テレワークの増加によるパソコンやスマホ、タブレット端末などモニターを見る時間や、テレビ視聴、ゲームアプリなど趣味で目を使う時間が増えたことが関係していると思われます。自宅ではモニターまでの距離、姿勢、光量や空調などの仕事環境が職場ほど整っていない可能性もあります。通常、まばたきは1分間に20回程度ですが、人は集中してものを見ると瞬きの回数が減ってしまい、目を開けている時間が長くなるので、目が乾燥しやすくなります。特にモニターを見続けるとまばたきが4分の1、つまり1分間に5回程度までに減少するという報告があります。さらに先行きの不透明な情勢によるストレスによる影響も多いのではないかと思われます。ストレスを感じ、緊張状態になると自律神経のバランスが崩れてしまい、ピント調節機能がうまく働かなくなったり、涙の分泌量が減ってさらに目が乾くことで、余計に見えにくさが増長されてしまうのです。
目が乾燥し角膜を保護している涙の量が少なくなると、さまざまな症状が出てきます。目が乾く、目がゴロゴロする、目がかすむ、ピントが合わない、目の疲れや頭痛や肩凝りがひどくなるといった眼精疲労、さらにはドライアイ症状がひどくなった場合は充血や目を開けていられない、目の痛みなどを感じるようになることもあります。
角膜はそもそも傷つきやすい部位。そのまま放置すると、角膜(黒目)や結膜(白目)に傷がつき治療が必要になることもあります。
今回、外出自粛中に長時間モニターを視聴したり目を使う趣味の時間が増え、目の疲れや不調を感じている人は、角膜に傷がつくリスクが高まって角膜に何らかの影響が及んでいる可能性もあると思われます。
目の疲れ・不調はストレスや不眠など、心身の不調を招く恐れ
更に「目の疲れ」や「不調」の影響は目だけに限りません。頭痛や肩こりに加え、慢性化すると自律神経の乱れから、今回の調査に見られるようにストレスや不眠、イライラ、気分の落ち込み、更にはうつ、不安障害につながることもあります。
PC作業1時間ごとに目を休め、目薬で目をケアするのも効果的
「目の疲れ」や「不調」は睡眠をとったり、まばたきに気をつけるだけでは十分改善されません。モニターまでの距離に合った眼鏡等の調整も重要です。今回の調査では、目の不調を感じているにもかかわらず、目のケアをしていない人が約5割もいましたが、まずはホームケアでも良いので、しっかりと目をケアすることが必要です。ただし、改善が見られない場合やよほど辛い場合は速やかに眼科を受診してください。